今の時期、ブドウ農家ってなにやっているの??

こんばんわ!

いっちゃんファームのイチロウです!

今はまさにブドウの管理作業に追われる毎日です!

目を閉じればブドウが見えてきます笑!

今日は、福岡県のブドウ農家が今の時期何してるんだろうな〜っという疑問に少しお答えします。(山梨や長野などの産地は気候が違うので一概には言えません。)

そして、特に今日は「種なし巨峰」についてお話ししてみます。

ブドウはやっぱり花が咲く!自家受粉!

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ブドウの花と言えばこんな感じです。この一房の花の中に“おしべ”と“めしべ”が存在しています。つまり自家受粉するので“花粉を付ける”という作業はありません。

しかし、花粉はめっちゃくちゃ飛びます!

花粉症なら、大変ですね💦

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そうです💦

かくいう私も、花粉症(ブドウの花粉由来!?)なので、こんな感じで作業するときが多々あります💦

しかもこの時期は、ハウス栽培なので真夏のような温度になるときがあるので大変💦

花きり作業

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花の時期、写真のような長い房のままで放置すると栄養分が分散してしまい、小粒だったり、お店にあるような立派な形のブドウになりません。

そのため粒を大きく、形を良くするため、「花きり」作業をします。

こんな感じです。

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種なし巨峰の場合は指2本分の長さになるようにします。

一房一房手作業です。

数で言うと…1人で数千房は余裕でおこないます💦

しかも、花の時期は限られているのでどれだけ効率よく作業をするか、もし遅れたら小粒でいびつなブドウができてしまい商品価値は0に等しいのです。

(このためハウス栽培、露地栽培など時期をずらす工夫をしています。)

実は、ブドウ農家の農繁期はこの花が咲く時期なのです。収穫期よりこの花の時期なんですね。

ジベレリン処理って何!?

さて、本題の種なし巨峰をどう作るか?ですが、結論は、ジベレリン処理をします。

ジベレリン処理をしたものが種なし巨峰、ジベレリン処理しないものが有核巨峰になります。

ジベレリンとは植物ホルモンで、単為結果((たんいけっか)=種なし化)を誘起させます。ジベレリン(白い粉)とフルメット(液体)を希釈して付けていきます(下記写真)。フルメットとは果実肥大や着果の促進をはかります。

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この二種類(ジベレリンとフルメット)を水で希釈します。

そして、下記のような容器に入れ、一房一房付けていきます。

ココでポイントは一房一房手作業で行う点です!

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ここで先ほどの写真、、、、

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この写真の上の方に一つ房を残しているのですがお分かりでしょうか?

これは目印です。

これが付いている=1回目のジベレリン未処理。

これがない=1回目ジベレリン処理完了

といった具合です。

気の遠くなるような作業ですが、いつか終わっています。

摘粒作業!

終わったら終わったで、次は摘粒作業が待っています。

30〜35粒になるように摘粒します。

たいていはこれ以上の粒があるので、専用ハサミで一粒一粒、大きくなった(製品になった)ブドウをイメージしながら行います。

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これも数千房www。

気の遠くなるような作業ですが…

いつの間にか終わっています。

そして、この摘粒作業が終わると、また同じように2回目のジベレリン処理(粒を肥大させるため)をします。

これもまた数千房…

気の遠くなるような作業ですが…

いつの間にか終わっています。

今、当農園は、2回目のジベレリン処理が終わり、摘粒作業、真っただ中です。

もう少しすると別の園の花の時期。

5月のGWまでは休めませんね。

ブドウの袋掛け作業、防除などもあるのですが、この辺りはまた別の機会に。