こんばんわ!
いっちゃんファームの井手です。
暖冬で野菜には天国
今年は暖冬といわれ、いつまでも暖かく、野菜にとっては抜群の条件が揃って生育良好です。あの夏の猛暑、酷暑とは違い、野菜の値段も高値ではなく安値ですよね。この状況を想像しながら下記をお読みください。
農家の2つの目線
農家は、2つの“目線”を持っています。1つ目は、“農家目線”。2つ目は、“消費者目線”です。どういうことなのか順に説明します。
まずはこの写真をご覧ください。
これは、いっちゃんファームが地元大手の直売所に出したときのものです。
次にこちらをご覧ください。
同じ直売所内で私の野菜のほかにも新鮮な野菜がたくさん並べられているのが分かります。
“買い叩かれるリスクがあるかどうかを判断する”目線
1つ目の“農家目線”です。上述したような場合、農家は、しまったと思うわけです。
どういうことか、つまりモノ(農産物)が溢れすぎているんです。この時期の旬はホウレン草です。時期ものの旬、且つ、天候などの好条件が重なり、どこの家庭、農家でも良好なホウレン草が採れているのです。
つまり、ホウレン草が直売所に溢れてしまう。そうなると100%値崩れが起きます。ある農家Aが一袋250g入りのホウレン草を150円で売っていた。当日売れ残り、翌日、100円に値下げし販売した。それを見た別の農家Bも翌日から120円で売っていたものを100円で販売しはじめた。あとは、売れないから安くするという負の連鎖が続きます。
農家にとってこの現象は、悪夢です。命の問題です。そう書く私も、この悪夢を見ました。そこから、あの「ホウレン草ソース」が誕生したのですが。
この手の話しは、直売所に限ったことではなく、市場(いちば)などもこの現象が起こっています。詳しくは、「市場 原理 安値」などで検索してください。
つまり何が言いたかったのか。1つ目の農家目線、それは、“買い叩かれるリスクがあるかどうかを判断する”目線ということになります。
野菜を買う農家は、心が痛い
2つ目の、“消費者目線”ですが、農家が消費者側にたったときに見る目線で考えます。簡単に考えて、モノを安く買うことができ嬉しい!といったところでしょうか。農家もまた、消費者の1人です。畑で作っていない作物は買う必要があるのです。安すぎる野菜を買い、我が身に置き換え心が痛むのです。野菜を買う農家は、心が痛いときもあるんです。2つ目の”消費者目線”は、こういったところでしょうか。
農業は、なによりも尊く、尊敬に値する職業
「野菜が売れない」=「収入0円、もしくは、赤字」。この等式を早く解消したいんです。農家は素晴らしい職業です。
以前こんなことがありました。ご職業は?と聞かれ、「農家です」と言うと、相手は一歩引いた感じで接してきます。つまり、極論をいうと、「農家が底辺の仕事」ということなのです。農家の私からすればこれは不正解です。農業は、なによりも尊く、尊敬に値する職業です。農業は総合学問と言われます。国語、数学、地理学、英語、化学、サイエンス、栄養学、医学など・・・、すべての学問の集合体が農業です。私はまだそのレベルに達していません。しかし、私は、身をもってそのレベルまで上げていき達成してみせます。
私は現在34歳。
人生の折り返しにさしかかりました。
「明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」親鸞聖人
この親鸞聖人の句とともに、「おいっ!!生きろ!!!」と自分を奮起しております。